2004/10/29 Fri | レビュー(カメラ)
NATURA S(4)
現像が上がりましたので、幾つか画像を紹介していきます。スキャンは色再現が素直なPOLASCAN 120を使っています。Digital ICE非搭載に付き、少々ホコリが目立つコマがありますがご容赦を。
画像の明るさはあまり弄らないようにしていますので、露出はほぼ画像のイメージだと考えてください。
600万画素相当(3000X2000ピクセル)の画像をこちらのアルバムに置きましたので、良ければご覧ください。
○歪曲&平面性チェック
日陰のブロック塀を撮影してみました。右下にストラップ?が写り込んでいますが気にしない方向で。
細かいことを言えば画面の端にかけてほんの僅かに樽っぽいですが、全体的に見て歪曲はほぼ無いと見て良いと思います。
解像感はそれなりにありますが、カリカリというほどではありません。むしろ、画面全体で程よく解像している印象。ただし、この個体では右上隅のみ解像度の落ち込みが激しい様子。右下は不明ですが、若干片ボケ傾向かも知れません。
○逆光チェック
意図的に太陽を構図に入れてみました。大きなゴーストが写り込みますが、全体にクリアで全く問題ないのではないかと。
○通常モード撮影/ISO100(Fuji Velvia 100F Professional)
近所の有名な家電屋さんです。ベルビア100Fと言うことを考慮しても、良く色が出ていると思います。周辺減光は気にならないレベル。
大阪梅田界隈。歪みがない広角なので、こういった建築物の撮影には向くんじゃないでしょうか。露出は比較的安定していますが、個人的な好みから言えばもう少しアンダーな方が好きです。シャープさはもう少し欲しいですが、本来のターゲットと用途からすれば優先順位は低いので、仕方ないところでしょうか。
伊丹空港にて。アンダー目の露出となったコマですが、がっつり周辺が落ちていて面白いです。撮影結果が予想できないのも銀塩ならではの楽しみと捕らえるなら、こういった写りも面白いんじゃないでしょうか。基本的には適正かややプラス寄りの露出となるため、空の色は↑のビルの写真のようになる事が多いようです。
今回、アクティブAFだと言うのを考慮し忘れたため、被写体が光沢物な場合にピンズレとなる場合がありましたが(メッキパイプ、噴水、磨かれた車など)、この場合は上手く撮影できました。
撮影距離によるものか、シャープネスも良いように思います。
○NPモード撮影/ISO400(Fuji TREBI 400 DXコード偽装)
結論から言えば、DXコード偽装によるISO400フィルムでのNPモード撮影は可能で、ほぼ問題ないと言うことでいいと思います。フィルム全体を見渡しても、少なくともビューアーで見て明らかに露出不足となったカットは殆ど有りません。
殆どというのは、なぜか突発的にドアンダーになったカットが有りましたので・・・原因は良くわかりません。当然ですが、絞り解放・1/45の条件ですらアンダーになる環境で、ムリに撮影したカットはアンダーになります。もっとも、人物撮影ではなく夜景の撮影というのであれば、少々アンダーの方が雰囲気が出ますので、結果を予想して使う分には問題無いと思います。
NPモードでの屋外撮影ですが、露出は問題有りません。かなり甘い像ですが、ISO400のフィルムによるものでしょうか・・・? 単にピンズレしてるようにも見えますが。
この結果を見ると、フラッシュ禁止の操作が省けるとは言っても、ムリにISO400で屋外撮影する事にあまりメリットを感じません。
屋内ですが、外光により比較的明るい状況です。やや後ピン気味でしょうか。
新千歳空港に飾ってあるかなり大きめの模型です。ガラスケース内ですが、上手くピントが合いました。アクティブAFですので、ガラス越しの撮影は難しいのもがありますが、フォーカスの固定が無限遠のみのため、このような状況ではお手上げになる事も。
コツとしては、ガラスは近接限界で、なおかつ被写体が合焦範囲にあるときは上手く行くようです。ただし、LEDによる合焦表示が大変頼りなく正直信用できないので、あまり結果を期待しない方が良いでしょう。つーか、接近しすぎた場合に合焦LEDが点灯になる仕様って何なんでしょう・・・?
あ、光点のボケ具合はなかなか良いと思います。
NATURAらしく屋内で猫を撮影。・・・難しいです。大きく撮そうにも寄れないし、構図に凝るにも周りが散らかっていてとても見せられたモンじゃあありません。リバーサルでは蛍光灯下では緑カブリが気になりますし、庶民の屋内で活躍できるシーンは限られるでしょう。
オサレなところに出かけるでもないカメオタ的には、真面目な話飲み屋専用かも知れません・・・。
以上、低照度撮影を3点。ほぼ絞り開放になる状況+ISO400フィルムと言うこともあり、特に画面周辺ではやはりそれなりの写りになります。とは言っても、この状況下で、シャッタースピードを一々確認することなく、手ぶれの心配なく撮影できるのはなかなか快適と言えます。
○最後に
使い勝手については既に先日書いていますが、現像が上がってみると・・・うーん、やはりAFがちょっと・・・。性能と言うよりは、使い勝手の面でやはり問題があると思います。低照度・近距離メインの撮影と言うことでアクティブAFが採用されているんだと思いますが、中距離(2〜5m程度)の撮影でたびたび後ピンになるように思いました。
少々ハズす事があるのは仕方ないと思いますが、ハズしても人間側が確認できる手段がないので、そのまま疑うことなく撮影し、結果カメラ不信につながります。コスト的に難しいのは分りますが、大雑把にでも合焦距離を確認できるといいと思います。
あとアクティブAFならば、やはり近距離でのフォーカス固定ができるとありがたいです。スナップ撮影においてガラス越しでの撮影の機会は少なくありませんが、このカメラでは多くの場合撮影自体が不可能な状況となります。
○で・・・・
このカメラどうよ?と聞かれると・・・。個人的には、見事な歪曲収差と色収差の補正がなされており、いまだコンパクトデジカメが広角を苦手とする状況を考えると、一般的に見ても十分に魅力的な製品ではないかと思います。歪で色ズレな28mmコンパクトデジカメに大枚叩くくらいなら、一般的でムリのない38mmからのズーム機と、NATURA Sの組み合わせの方が撮影範囲も広く、撮影結果も満足できるんじゃないかと。
女性向けとしてアピールするコンセプトも面白いと思いますが、そもそも自然光での撮影云々以前に、24mmの画角と言うのはフジ自身もSilvi F2.8のFAQに記した通りの難しさがあるのも事実です。24mmの広角は手ぶれの低減に優位とは言え、人物撮影メインではこれが正解とはやはり思われないのですが・・・。
ISO1600のフィルムでの撮影も行っていませんし、人物撮影については門外漢なのでこれ以上のコメントは避けます。やっぱ一度は使うべきなんでしょうねえ、折角貰ったことですし。
画像の明るさはあまり弄らないようにしていますので、露出はほぼ画像のイメージだと考えてください。
600万画素相当(3000X2000ピクセル)の画像をこちらのアルバムに置きましたので、良ければご覧ください。
○歪曲&平面性チェック
日陰のブロック塀を撮影してみました。右下にストラップ?が写り込んでいますが気にしない方向で。
細かいことを言えば画面の端にかけてほんの僅かに樽っぽいですが、全体的に見て歪曲はほぼ無いと見て良いと思います。
解像感はそれなりにありますが、カリカリというほどではありません。むしろ、画面全体で程よく解像している印象。ただし、この個体では右上隅のみ解像度の落ち込みが激しい様子。右下は不明ですが、若干片ボケ傾向かも知れません。
○逆光チェック
意図的に太陽を構図に入れてみました。大きなゴーストが写り込みますが、全体にクリアで全く問題ないのではないかと。
○通常モード撮影/ISO100(Fuji Velvia 100F Professional)
近所の有名な家電屋さんです。ベルビア100Fと言うことを考慮しても、良く色が出ていると思います。周辺減光は気にならないレベル。
大阪梅田界隈。歪みがない広角なので、こういった建築物の撮影には向くんじゃないでしょうか。露出は比較的安定していますが、個人的な好みから言えばもう少しアンダーな方が好きです。シャープさはもう少し欲しいですが、本来のターゲットと用途からすれば優先順位は低いので、仕方ないところでしょうか。
伊丹空港にて。アンダー目の露出となったコマですが、がっつり周辺が落ちていて面白いです。撮影結果が予想できないのも銀塩ならではの楽しみと捕らえるなら、こういった写りも面白いんじゃないでしょうか。基本的には適正かややプラス寄りの露出となるため、空の色は↑のビルの写真のようになる事が多いようです。
今回、アクティブAFだと言うのを考慮し忘れたため、被写体が光沢物な場合にピンズレとなる場合がありましたが(メッキパイプ、噴水、磨かれた車など)、この場合は上手く撮影できました。
撮影距離によるものか、シャープネスも良いように思います。
○NPモード撮影/ISO400(Fuji TREBI 400 DXコード偽装)
結論から言えば、DXコード偽装によるISO400フィルムでのNPモード撮影は可能で、ほぼ問題ないと言うことでいいと思います。フィルム全体を見渡しても、少なくともビューアーで見て明らかに露出不足となったカットは殆ど有りません。
殆どというのは、なぜか突発的にドアンダーになったカットが有りましたので・・・原因は良くわかりません。当然ですが、絞り解放・1/45の条件ですらアンダーになる環境で、ムリに撮影したカットはアンダーになります。もっとも、人物撮影ではなく夜景の撮影というのであれば、少々アンダーの方が雰囲気が出ますので、結果を予想して使う分には問題無いと思います。
NPモードでの屋外撮影ですが、露出は問題有りません。かなり甘い像ですが、ISO400のフィルムによるものでしょうか・・・? 単にピンズレしてるようにも見えますが。
この結果を見ると、フラッシュ禁止の操作が省けるとは言っても、ムリにISO400で屋外撮影する事にあまりメリットを感じません。
屋内ですが、外光により比較的明るい状況です。やや後ピン気味でしょうか。
新千歳空港に飾ってあるかなり大きめの模型です。ガラスケース内ですが、上手くピントが合いました。アクティブAFですので、ガラス越しの撮影は難しいのもがありますが、フォーカスの固定が無限遠のみのため、このような状況ではお手上げになる事も。
コツとしては、ガラスは近接限界で、なおかつ被写体が合焦範囲にあるときは上手く行くようです。ただし、LEDによる合焦表示が大変頼りなく正直信用できないので、あまり結果を期待しない方が良いでしょう。つーか、接近しすぎた場合に合焦LEDが点灯になる仕様って何なんでしょう・・・?
あ、光点のボケ具合はなかなか良いと思います。
NATURAらしく屋内で猫を撮影。・・・難しいです。大きく撮そうにも寄れないし、構図に凝るにも周りが散らかっていてとても見せられたモンじゃあありません。リバーサルでは蛍光灯下では緑カブリが気になりますし、庶民の屋内で活躍できるシーンは限られるでしょう。
オサレなところに出かけるでもないカメオタ的には、真面目な話飲み屋専用かも知れません・・・。
以上、低照度撮影を3点。ほぼ絞り開放になる状況+ISO400フィルムと言うこともあり、特に画面周辺ではやはりそれなりの写りになります。とは言っても、この状況下で、シャッタースピードを一々確認することなく、手ぶれの心配なく撮影できるのはなかなか快適と言えます。
○最後に
使い勝手については既に先日書いていますが、現像が上がってみると・・・うーん、やはりAFがちょっと・・・。性能と言うよりは、使い勝手の面でやはり問題があると思います。低照度・近距離メインの撮影と言うことでアクティブAFが採用されているんだと思いますが、中距離(2〜5m程度)の撮影でたびたび後ピンになるように思いました。
少々ハズす事があるのは仕方ないと思いますが、ハズしても人間側が確認できる手段がないので、そのまま疑うことなく撮影し、結果カメラ不信につながります。コスト的に難しいのは分りますが、大雑把にでも合焦距離を確認できるといいと思います。
あとアクティブAFならば、やはり近距離でのフォーカス固定ができるとありがたいです。スナップ撮影においてガラス越しでの撮影の機会は少なくありませんが、このカメラでは多くの場合撮影自体が不可能な状況となります。
○で・・・・
このカメラどうよ?と聞かれると・・・。個人的には、見事な歪曲収差と色収差の補正がなされており、いまだコンパクトデジカメが広角を苦手とする状況を考えると、一般的に見ても十分に魅力的な製品ではないかと思います。歪で色ズレな28mmコンパクトデジカメに大枚叩くくらいなら、一般的でムリのない38mmからのズーム機と、NATURA Sの組み合わせの方が撮影範囲も広く、撮影結果も満足できるんじゃないかと。
女性向けとしてアピールするコンセプトも面白いと思いますが、そもそも自然光での撮影云々以前に、24mmの画角と言うのはフジ自身もSilvi F2.8のFAQに記した通りの難しさがあるのも事実です。24mmの広角は手ぶれの低減に優位とは言え、人物撮影メインではこれが正解とはやはり思われないのですが・・・。
ISO1600のフィルムでの撮影も行っていませんし、人物撮影については門外漢なのでこれ以上のコメントは避けます。やっぱ一度は使うべきなんでしょうねえ、折角貰ったことですし。
Comments
出撃頻度が激増しそうな悪寒。
600万画素相当の画像も全て拡大して見てみました。
2chでは盛んに周辺光量低下を指摘されていますが、やはりこの手のレンジファインダー系レンズに慣れてない一眼レフユーザーの方のようです。
個人的には作例もとても良かったと思います。
このレンズの特徴が生かせてると思いました。
確かにご指摘通り開放近くの周辺での崩れは私もやや不満ですが、この価格では何も文句が言えないですよね。
まあ固定焦点モードは焦点深度の関係でそのまま実装出来ないのはわかるけどさ。
F2.8黒買ってまだ一ヶ月なんだよねえ。悩むなあ……。