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今日のニュース(20040729)

FinePix S3Pro国内発表
ようやく発表されたので、米国発表のリリースで不明だった点を中心に雑感を。

・ファインダー
S2Pro使いには一番の関心事、ファインダーです。S2ProはCCDサイズがニコンDXフォーマットより若干小さい上、F80Dを流用する際に何のチューニングも行われなかったために、他機種に比べて貧弱なファインダーとなっていました。
S3Proではファインダーが改善されていると言う話でしたが、視野率93〜95%、倍率0.8倍と言う事で、正直期待したほどでもないです。と言うか、ペンタプリズムにまで手を入れるとは考え難いですし、微妙に盛り上がった造りからしておそらくMagP的な光学系で拡大しているんではないかと推測。

ところで視野率ですが、専用ボディの機種はともかくとして、35mmフィルム用ボディをそのまま流用した機種では「単純にスクリーン上の撮影範囲をマスクしただけ」の筈なのに、視野率100%にできないのは何でなんでしょうね?(実際、SD9は視野率100%超えが可能(笑))
個人的には「ニコンからの圧力」もしくは「CCD取り付け誤差マージン」だと思ってたりしますが・・・
今のところファインダー内情報の画像が公開されていませんが、これでS2Proと変わらず視野とインジケータが離れていたりしたら著しく購入意欲を削ぐことうけあいですが、さて。

・スーパーCCDハニカムIV SRII
有る意味S3Proの本体(笑) S2Proは「ちょっと解像感高いかも・・・?」程度に過ぎませんでしたが、ダイナミックレンジ4倍って事で、本当に謳い文句通りなら、撮影方法からして変わる可能性があります。
つまり、今まではRGBの狭い狭い色域に、狭い狭いCCDのダイナミックレンジを合わせこむような、いわばリバーサルフィルムでの撮影に近いものでしたが、S3Proであれば、RAWをベースにしたネガ的な使い方ができるのかなと。
うーん、でもハイライト側はあまり変わらずにシャドウ側に深くなってるって事なので、ちょっとネガ的な運用は難しいのかな。(ネガは露出オーバーに強い)
どちらかと言えば、低感度な設定で露出アンダー気味に撮っておけば現像で大抵リカバリできますよ、ってなニュアンスなのかも。S2ProのRAWでも同じ使い方ができましたが、限度はありましたし。

広ダイナミックレンジとは言っても、直接JPEGで撮影するのであれば、「画像処理プログラムがよほど優れていない限りは効果が実感できないはずなので、成り行きRAWでの撮影がメインになると思われます。優れた画像処理ってのはあれだ、リアルタイムで撮影者の意図を汲み取って覆い焼きまでやってのけるようなプログラム・・・って、そんなの無理に決まってるし。

・連続撮影
「最短約0.4秒間隔 最大連続12コマまで(D-レンジ:スタンダード、JPEGモード時)」
見劣りするんであまり触れたくないんでしょうね・・・。わざわざJPEGモードと断っているのが気がかりですが、R画素を利用しない「D-レンジ:スタンダード」ではデータ容量も半分になると仮定すると、おそらくバッファはS2Proの1.5倍ってところでしょうか。バッファ容量が(推定)144MBってのは結構頑張ってると思いますが、フルスペックでの連続撮影では多少S2Proを下回る恐れがありますね。

・バッテリー
単三4本のみで運用可能だそーです。コンパクトなカメラでは重さやメンテの都合からしてリチウムイオンの方が便利だと思いますが、最近はニッケル水素電池も良くなっているので単三もそう悪いものではないかなと。
つか、S2Proの場合はアルカリ電池(wで1GBのMDをRAWで一杯にする程度はできましたので、通常運用での不便さはそれほどでもないかなと。実際、旅先でも絶対に電池の調達に困らないのは大きなメリットです。つか、RAWが肥大化しているので、メディアの心配の方をする方が余程重要でしょうね。

・グリップ+縦位置シャッター
無駄に縦に伸びるくらいならグリップになってた方がいいし、それならシャッターもあった方がいいでしょうが・・・それならダイヤルも付けてくれないとなあ・・・。ちと中途半端。
個人的には、ベローズ系アクセサリーが取り付けにくくなった(できなくなった?)のは大きな損失です(w
まあ、”Pro”と言うからにはこの程度のボディのボリュームが有った方がいいのは確かでしょうね。顧客はカメラのサイズにも満足感を求めますので。

・てな訳で
とりあえずはこんな所でしょうか。
正直、ダイナミックレンジを含めた画質の情報が出てこないことには何とも評価し難いですね。実際、風景やスタジオで使う分には機能改善点は大して重要なものではないし、スポーツその他で使うにはものたりないのも相変わらずかと。
傾向としてはS2Proと同じく画質命のカメラ。S3Proがマッチする人というのも自ずと決まってくると思います。

お値段は店頭予想価格26万円との事。D70二台分と考えれば高いですが、生い立ちと方向性を考えれば仕方ないでしょうね。
ソニーの製の汎用CCDを用いてコストダウンを図っている製品群とは違い、専用のコスト高なCCDを使っている上、半導体の基本的なコストダウン策である微細化を機能向上に振り分けているんですから、この上で安くすれってのが無理な話かと。ボディは外製だし、多少改善されているところを見るとS2Pro時代よりもふっかけられてそうですし。この価格、バーゲンとは言わないまでも妥当な価格だと思いますよ。

んで、買いか否かという話ですが・・・。正直、一眼デジの一台目としては普通にD70クラスの製品か、ちょっと待ってD100の後継機あたりを狙った方がいいでしょう。D100 VS S2Proでは得意な部分が異なる事もあり、(ユーザーの贔屓目では)甲乙付け難いものがありましたが、D70では多くの問題が払拭されていますので、画質以外の部分でS2Pro/S3Proが優れている部分は殆ど無いでしょう。
S3ProではAPS-Cタイプデジタル一眼で上位の画質を狙うようですが、実質の画素が増えるわけでもCCDが大きくなるわけでもなく、極めて微妙な優位性に思えます。

高ダイナミックレンジ特性についても、最終的にはRGBに落とさなければならないので、出力画像にぱっと見で分かるような優位点が出る事はあまり考えられません。
むしろ、野外での撮影にネガを多用していて、デジタル撮影での露出のシビアさに不満をもっていたような人に、アバウトな撮影ができるデジカメとしてアピールする製品なのかと思います。

個人的には、風景を撮影したRAWデータから露出オーバーと露出アンダーな画像を出力し、後処理で合成して高ダイナミックレンジな写真に仕上げるような処理を時々やりますので、こういった使い方がよりハイクオリティに行えるのではないかと期待しています。
S2ProのRAWでもそこそこ満足行く結果が得られましたが、まだまだリバーサルフィルムのスキャンで同じ処理を行った方が結果いいんですよね。
comment (0) | trackback (0) | 投稿者:やまもと
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